こうして私とアウディとの生活は始まった。元来、車を買う理由であった引越し先探しであるが、結局、車で探す必要もない前の場所から500mほどのところに安くて広いところを見つけ、そこに決めた。おまけに車も家の敷地内にとめることができ、閑静だし治安も良いところで、ホッとした。車を買ったことで釣りにもいきやすくなったし、行動範囲が広まって生活に潤いができた。結果としては車を買ってやはり正解だと思った。
そして、新しい生活にも慣れ始めた頃、それは起こった。ある日曜日、天気がよかったので、トレッキングコースの下見でも行こうと思ってドライブに出た。爽やかな空気をいっぱいに吸い込むために、窓を開けて快調にワインディングロードを疾走していたときのこと、異音を聞いた。
「カチカチカチカチカチカチカチカチ・・・・・・・・・・・」
「ん?何の音だろう?」とは思ったが大して気にもとめないで走っていた。だがしばらくすると、今度は「ブー、ブー、ブー」と明らかに室内から電子音が!見てみるとオイルレベルの異常を知らせる警告等が点滅しているではないか!うーむ、買ったときにチェックしたときはオイルは綺麗で量も充分あったはずだし、買ってからも今までオイルが洩れていたという事もなかったし・・・と不審に思ったので、大事をとって、おとなしく帰ってすぐに近くの修理工場に持って行って見た。
修理屋の兄さんに見せてみると、「うーん、なんかわからないけど、イヤ〜な音ですね。これは」という。そうなんだ!嫌な音なんだよ!と思っていると「多分だけど、古い車なのでエンジン内に隙間ができてしまって、そこからオイルが入ってしまって、ガソリンと一緒に燃えちゃってるんだと思いまっす」
がーん、そ、それは直るの?と、直りそうにないなと思いながら聞いてみると「うんにゃ、そうだとすると古い車なのでどうしようもないし、まあそうと決まったわけでもないし。本当にそうかどうかはエンジンをばらしてみないと何とも言えないっす」
ウーム、いわゆるオーバーホールというやつじゃないか、そんなことしたら目ン玉飛び出るくらいの料金かかるだろーなと思って聞いてみると、やはり、目ン玉が飛び出した。
ウーム、こういう場合、放って置くと車の専門家に良いように言いくるめられて金を巻き上げられるのではと、恐怖を感じた私は、一旦家に帰ってネットで調べてみることに。そういう点ではまったく便利な世の中になったものである。
家に帰って、古いアウディ好きな人たちが集うサイトを見つけて覗いて見た。そこでは古いアウディ好きな人たちが、故障と闘いながら、でもどこか楽しそうに故障情報などを交換している様だった。そこで相談してみた。たまたま運がよかったのか、すぐに数人の方がレスをくれ「それはタペット音と言って、オイルがバルブによく回らなくなる事によって起こる音だよ。オイルが洩れていないのであれば、オイル下がりかオイル上がりを疑うべし。古い車で、しかも走行距離がすごいみたいだから」と、まさに適確なご指摘!ありがとうございます!それにしても、うーむ、これが噂に聞いたオイル下がり(上がり)か。。。確かに修理屋の兄さんも「オイルが燃えちゃってるんだよ」とか言ってたし、そう言われてみると、実際、排気もそれらしい臭いするなあ・・・・。そこでオイル燃えを改善する添加剤を調べたりして、予備知識を得た上で、再度修理工場に持っていった。評判の良い、私の車の症状に効きそうな添加剤は日本製で、こちらで買えそうにはないなと思いながらも。
修理工場に着いて「あれから色々調べたんだけど、おっしゃるようにオイル燃えみたいなので、何か良い添加剤ないですか?」と聞いて見た。
「うーん、添加剤ねー、あんまり効かないんだよね。でもまあ、粘度の高いオイルを継ぎ足せばしばらくはまた音は消えると思うっすよ」
なぬ!?それなら前に来たときにそう言ってくれれば良いのに!と思いつつも、オイルを入れてもらった。すると!ウソの様に、あの、不快で、時限爆弾の時間を刻む音の様に、地獄の底からおいでおいでをするような音は、消え去り、晴れ渡った空の様に屈託のない快調なエンジン音が戻ってきた。なーんだ、じゃ、また音がしてきたらオイルを継ぎ足せば良いわけね、と思った時、ハタと、修理屋の兄さんが、解を言い渋ってた理由を見た様な気がした。もちろん、こういうごまかしたような乗り方はあまり良くないし、本格的に原因を追究し、直したほうが良いに決まっている。プロとして、私の様な素人が安易な方法でその場がしのげれば、それで良しと、簡単に考えてしまうというのを避けたかったのだろう。でも、私としては、ひとまず一安心。対処方法もわかったし、第一、エンジンのオーバーホールまでする余裕もないし、売り飛ばして(というか売れるとは思えない)新しいのを買う余裕なんてもっとない。
それに、こんなになるまで代々のオーナーに酷使された挙句に売り飛ばされ、クタクタになりながらも、ちょっと粘度の高いオイルさえ継ぎ足してやれば、ポンコツでもまだまだ元気を回復するとは、立派な奴じゃないか。クタクタになってしまい、それでも生気を取り戻そうとする、その姿勢にむしろ共感を覚え、愛着が湧いてきたのだった。オイル継ぎ足し作戦で乗り続けて、この車の余命をみとってあげようと思った。
その判断が私の余命を短くしないことを願いつつ。
だけど、環境には悪そうだな、この車・・・。全然ロハスになってない(^^;
(つづく)
2006年11月23日
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ボクは以前の車でエンジン自体を2度(中古)積み替えたことがあります・・そのときはやはりオイル継ぎ足し作戦でした。今の来るはボディーがボロボロです。やはり悲しいです・・
エンジンの積み替えですか!確かにこちらでもそうする人が結構いるみたいです。でもやっぱりお金かかりそうですね・・・。まあ、車なんて走れば良いとはいえ、高速走行などをする度に不安なのは否めません。あ〜、新しい車が欲しい!(ホンネ)