2006年11月17日

ロハスなニュージーランド?2

ュージーランドでロハスといえば、マヌカハニー、プロポリスなどの健康食品といったいわゆる「ロハス関連商品」的なものがまず思いつくが、その先にあるものが移住後生活してきて今になってもいまひとつ見えてこない。いったいニュージーランドとロハスってそもそも関係あるのか?とさえ思えてくる。ニュージーランドを環境大国という人も居る。また自然がいっぱいという人も居る。だが今のところ私はそれをさほど強く実感していない。私にとっては魚の数と釣人の数の比率という圧倒的メリットがニュージーランドにはあるが、その点を除けば要するに日本でもどこでもやろうと思えば出来る「田舎暮らし」であり、「スローライフ」である。日本でも田舎にいけば、いくらでも自然はまだまだ残っているし、癒されもする。人の素朴さもまだまだ残っている。環境に対する能動的な取り組みという観点でみれば、むしろ日本の方が、かなり真剣に取り組んでいるのではないのだろうか。実際クラーク首相も日本の環境への取り組みに対して学ぶ点が多々あると認めているようだ。もっとも日本の取り組みはまだまだ端緒についたばかりなのかもしれないが。

もそもロハスというのは一体能動的な行動を指すのか、受動的な状態を指すのかという観点で考えてみると、恐らく前者なのだと思うのだ。その意味で例えば日本とニュージーランドのロハス度を比べてみるとしたら、恐らく環境に対する取り組みとしては日本の方が努力しているのではないか。規模的に。技術的に。また危機を実際に感じつつあるだけに世間の関心度の高さ的に。一方のニュージーランドは京都議定書への調印自体でもモメにもめて、未だに牧場主などは反対しているらしい。つまり、「牧場を作るために森林を伐採しCO2増加の一因を作ってきた牧場主たちは税の面で京都議定書の実現に向けた貢献をしなければならない」、「オイちょっと待てお前何言い出すんだ!」、などといった議論もあるらしいのだ。実際、CO2削減目標の達成に向けて政府が導入しようとした炭素税(CO2排出量に応じて課税しようという考えに基づいている)も産業界の強い反発で導入が見送られた。つまりは経済・産業の発展を優先させるという意識自体は日本と同様なレベルだと言うことがいえるかも知れない。だがニュージーランドは幸いにも人口も産業の規模も小さいので単に自然環境は比較的破壊されにくい状態にあり、結果として「受動的にロハスな状態」つまり「単に未発展状態」にあるのだろう。この点で田舎=環境先進国というような錯覚・すり替えが生まれているのではないかと思うのだ。

こに一つの興味深いニュースがある。ニュージーランド唯一の全国紙ヘラルドで報じられたもので、

自然資源を最悪に食い尽くすニュージーランド人

というショッキングなものだ。ニュースのソースはWWF(世界自然保護基金)の調査レポートによるらしいが、そのクリーン・グリーンな”イメージ”とは異なり、ニュージーランドが実際に「国民一人あたりが要求する自然資源」ランキングで世界第9位だというのだ。換言すると「地球環境へ与えるインパクトが強い人たちが住まう国々」とでも言えようか。実際に移住してきてみて以来、何となく感じていたことであり、やはりそうだったか、というのと同時に、やはりショックであった。それぞれの国の一人当たりが要求する自然資源としてカウントされたのは、石油などの化石燃料、核燃料、農耕地、放牧地、森林、漁場などで、ワースト10の国がワースト10たる所以は、化石燃料の消費によるCO2排出量が、その主な原因となっているのだそうだ(ニュージーランドは少し違うが)。

The worst 10 offenders:
1. United Arab Emirates
2. United States
3. Finland
4. Canada
5. Kuwait
6. Australia
7. Estonia
8. Sweden
9. NEW ZEALAND
10. Norway

(出展:Living Planet Report 2006 WWF)

ニュージーランドと同じく環境大国のイメージがある北欧各国がランクインしているのも興味深い。ちなみに日本は27位であり、中国は70位となっている。ニュージーランドの特徴としては、様々な資源を他国に比べまんべんなく要求するという点であろうか。日本は化石燃料の消費によるCO2排出量の比率が高い。ただ注意しなければいけないのは、この数値は「一人当たり」の量だということであり、人口が日本の30分の1のニュージーランドという国自体は日本に比べてはるかに地球環境に対する影響力は小さかろうという事である。その意味からすると最悪なのは米国だ。国民一人あたりが2位で人口も日本の2倍以上のアメリカはいったいどれだけのインパクトを持つのだろうか・・・。そういう国から生まれた「ロハス」という言葉。アメリカでロハス層と言われる人は2005年の調査では成人人口の23%なのだそうな。つまり一人一人が健康や環境に配慮している人が増えてきているからこそ生まれたであろう社会現象を象徴する言葉「ロハス」であるはずなのに、実際に一人当たりが要求する資源は他を圧倒しているという事実。ただ、上記のワースト調査は2003年の様だから、前向きに考えて、その後アメリカではロハス層が増えてきていて、現在ではワースト度は改善されているかも知れない、と考えることも出来る。

ずれにせよ、上記ワースト度を改善するとしたら、節電に努力し、高燃費車に乗り、放牧、農耕、林業を控えると言う事になる。こうあらためて挙げつらえてみると確かにニュージーランドには辛い、というか非常に不利な指標である。放牧を含む農林業が最大産業であり、電気を大量に消費せざるを得ないライフスタイル、高燃費など望むべくも無いボロボロの中古車の多さ、国民総じて車に乗らざるを得ない公共交通機関の不整備、どれをとってもニュージーランドは、この指標で叩かれるべくして叩かれるとすら思えてくるのである。したがってこの指標をもってニュージーランドはロハスでないという気は毛頭ないのである。問題なのは、能動的な取り組みがなされているかどうかという点であろうと思う。水力発電・風力発電への取り組み、最近の古い中古車締め出し作戦の展開など、間違いなくニュージーランドは手をこまねいているわけではない。その意味でニュージーランド=ロハス説を全否定するわけではない一方、言うほどロハスか?という点を指摘しておきたかったに過ぎない。だが少し話が環境面に傾きすぎてしまった。次回はまた実生活へ目線を戻し、ライフスタイルという点に論点を戻したいと思う。目線を実生活に戻した瞬間、古い中古車に乗っている私自身はいったい何なんだとうつむかざるを得なくなるのだが。。。

つづく

posted by Dobby at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ロハス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/27655257
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック