あくる日はボクシングデーで、こちらではこの日がショッピングデーの様である。一昔前の日本の正月の様にクリスマス中は店という店が閉まっているために、物欲がたまりに溜まった街中の人がこぞってショッピングモールを巡るのだ。クリスマス用品が半額になったりするので、みんな来年のためにクリスマスカードやラッピングロールを買いだめしていく。次の日の新聞にはその様子が地域の新聞の一面をかざり、平和なところだなあと、あらためて感じる。買い物の後、夕方やることがないし、天気が午前中とは一転して良くなったので、とりあえず試し釣りに以前も行ったHamuranaというポイントに行って見た。着いてみると風は強いし、波は高しであまり釣りにならず、40分もするとアンが帰りたがるので早々に引き上げた。
そして、27日は朝5時起きだ。アンは車貸してあげるから一人で行ってきてといってくれたので、内心「しめた、一人でゆっくり釣れるぞ」と意気揚々と出かけた。今日はHamuranaではなく、別の川の河口に行って見た。初めてのポイントなのだが、来る前に地図でチェックしたとおり歩いていくと、柵があって行く手を阻まれた。ニュージーランドでは湖岸や川岸も私有可なため、こういう事はよくあり、普通は事前に許可をとっておかなければならない様なのだ。どうしようかなと思い、柵の手前でやるかなーと思っていると、犬を連れたおっさんが近づいてきて、「その柵を超えていけば良いポイントがあるよ」と教えてくれる。そのおっさんは私の後をつけるように歩いてきていたので、ひょっとしてわざわざ教えに来てくれたのかと思い、ありがとうと感謝しながら、「え?柵超えて行っても良いって言ってますか?」と聞きなおすと「ああ、良いよ、柵超えてあそこがポイントだよ」と言ってくれたのでお礼を言い言い柵に近づいてみると、柵越えのためのステップまであるではないか。「何だ、私有地といっても釣り人に公開してくれてるんだな」と勝手に納得してポイントに向かった。
今日のフライは昨日買っておいた「ウーリーバガー」という毛虫にふわふわの尻尾をつけたようなやつだ。これは日本の管理釣り場では必殺フライなのだが、日本では本番の川では釣れたためしが無い。しかし、ここニュージーランドのいたいけな鱒達ならば日本の管理釣り場なみの効果を発揮するのではないかと思い、買っておいたのである。ちなみにこのフライは一個4ドルくらいする。以前は自分で巻いたものだが、巻く道具はまだ持ってきていないので、買って済ませるしかないのだ。
ポイントについて、リーダー(ハリス)を結んだりフライを結んだりと、はやる気持ちを抑えながらの準備をやっと終え釣りを開始・・・だが、釣れない・・・。釣りを始めたのはなんだかんだで7時過ぎだったのだが、何も釣れないまま2時間が経とうとしていた。投げては流し、河口を出て行くところまで行ったら一転してリトリーブ(巻き取り)するという繰り返しを作業の様に辛抱強く続けたがかすりもしない。アンが今日は競馬に連れて行ってくれると言っていたから10時までには戻らないとなあと思って、最後に岸際を片っ端から叩き上って行く事にした。そして、これを始めて10分と経たないうちに初めて異変が!
と思ったら、根がかりだった・・・。だが引っ張ってみると根がかっている木の枝ごと浮き上がってきたので引き寄せてフライを外すことができた。ロハスという観点からも根がかりは極力回収しなければならない。4ドルのフライをそうそう無駄にはできないという理由ばかりでなく!時計を見るとタイムリミットの9時半まではあと15分くらいだ。ここでシリアスに根がかっていたら、もう今日は終わりにしようと思っていたので、ラッキーだった。ティペット(ハリス)をみると少々ダメージあるが、もう変えている時間はないので、そのまま釣りを続けた。実はこの釣りのぼりの前にも、着いてからすぐの時に同じ事をやっていたのだが、その時には水鳥に占領され行く手を阻まれたポイントまで来て見ると、奴らは既に対岸に移動していたので、期待を込めて投入した。一投・・・・。二投・・・。ん?なんだかもやもやっとした感じが!合わせてみた。
いきなり「ガツン!ビュー」という感じでラインが走り出した!一瞬われを忘れそうになったがすぐに「やった!魚だ!しかも重い!」川とは言え、湖に注ぐ河口に近いので充分に深く広いため魚も縦横無尽に暴れまわる。#8のロッドが根元からひん曲がりなかなか引き寄せることが出来ない。さっきの根がかりでダメージを受けたハリスを気にしながら無理しないように辛抱強く魚が弱るのを待った。そしてそこでハタと気がつく。「デカイ・・・でもネット持って来て無いよ・・・」そう、度重なるボウズに「どうせ今日も釣れないだろう」という油断があったのだ。だがしょうがないので、引きずりあげ作戦に出ることにして、引きずりあげられそうな場所を横目で探すが、そもそもまだまだ元気でなかなか寄せられない。やっと頭を出させたと思ってもブルンブルン首を振ってまた潜っていく。コイツはどうもジャンプするよりも潜るタイプらしい。そんな地味ではあるが粘り強い強力なファイトではあったが、しばらくやり取りの後、遂にヤツにも疲れが出てきた。しかも引きずり上げられそうな遠浅な場所が幸運にもぽっかりとあり、やっとこ無事引き上げることが出来た。
引きずり上げるや竿をほっぽり、暴れる魚を押さえつけ、逃げられないように魚を投げるように川岸の上の方に隔離した。
「ふぅー」芝生の上に魚を横たえ、ほっとしてよく見るとデカくて丸々と太っている。しかもひれピンだ。こんな魚をフライ(毛鉤)で、しかも川で釣ったのは管理釣り場で52cmのイワナを釣ったとき以来となる。今回は本番の川で本式に釣って釣れたため、だんだん無性に興奮がこみ上げてきた。こんなとき、一人で釣っているとその興奮を伝える相手がいないため寂しい限りであるが興奮は収まらない。震えそうになる手で測ってみると54cm。以前オークランドの湖でチーズで釣ったのに比べたら、1cmほど短いが太さがまるで違うし何よりもフライで釣ったので価値が全然違うのである。時計を見ると9時半になろうとしていた。慌てて、常に釣り用鞄に常備しているレジ袋に鱒を押し込め、帰路を急いだ。
(つづく)
2006年11月06日
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そうなんです、久しぶりに手が震えそうなほど興奮してしまいました(汗)54cmというと、実はロトルア湖とその近隣湖沼河川では平均サイズくらいなんですが、私にとっては大物でした!つい最近、ロトルア湖のとなりのロトイチ湖では記録的な6.2kgの虹鱒が釣れてニュースになっていました。今年もまたロトルアに釣りに行く予定なので、今から楽しみです(笑)
いや〜やはり写真が見たいところです。
このトラウトを釣って以来、しばらくトラウトからは遠ざかっています・・・。このとき、運を使い切ってしまったのかも?また近いうちに釣れてご報告できる事を私も願っております(笑)
フライ初挑戦で40cm級とはすごいですね〜。釣った魚はどうやって食べたのでしょうか。きっと最高に美味しかったでしょうね!
実は私も最近またロトルアに行ってきました。また釣行記書きますので見てくださいね!