2006年10月08日

ニュージーランド移住記(留学下見編)〜準備編1〜

年前のある日、会社を辞めていよいよニュージーランドへの移住計画を実行に移すときが来た。実はこの日に先立つ1年と少し前にも会社を辞めている。その時点で既にニュージーランドに移住してみたい気持ちが固まっていたはずなのであるが、その後1年と少し別の会社で働くうちに、またその環境に流されそうになり、それだけの時間が経ってしまったのだった。だがこの時間も必要な時間であったのだろうと思う。宇宙に飛び立つロケットが何回か切り離しを繰り返しながら宇宙空間に出て行くのと同様、移住という新天地に出て行く時にも何段階かの決断が必要であった。私の場合、1つ目の会社を辞めるときに第一段階の切り離し、2つ目の会社を辞めるときに最終的な切り離しを行った様である。2つ目の会社では、ある事をきっかけに、やはり日本を出て移住するのだという最終的な決意が固まり、その会社での生活にも終止符を打つことにし、その後決心が揺らぐ事はなかった。

たつ目の会社を辞めて、いよいよ身軽になった私は、移住するにあたってはやはり永住権があった方が何かと有利であろうと考え、永住権取得のための活動も同時に開始した。だが、いずれにしても必要なのが英語力だ。永住権申請のためだけでなく、現地での生活・就職において必須となる要素である。会社を辞めたことで収入は失ったもうやだ〜(悲しい顔)が、その代わり英語習得に費やせる時間だけは豊富に得る事ができた。だが英語というものを20年近く忌避していた私にとっては、ほとんどゼロからのスタートに近しい感覚であり、年齢も年齢だし、今さらいくら時間をかけたところで英語なんてしゃべれる様になるのだろうか、とかなり不安ではあった。勿論、ある程度の文法知識や基本的な単語というのは記憶の奥底にその残滓はあったものの、リスニングやスピーキングなどはほとんど生まれて初めての経験と言ってよかったし、ライティングについても高校の時の英作文(単文)を経験した程度だ。しかも大の苦手科目であったうえ、この頃にはそんななけなしの経験もすっかり塩漬けになっていた。何も考えずに英語に翻訳できる言葉なんて冗談ではなく「This is a pen」たらーっ(汗)くらいのものであった。「This is a pencil」あせあせ(飛び散る汗)はちょっと考えないと出てこなかった。そんな中、唯一の光明は、元来英語というものが大嫌いな私にとって意外だった事でもあるのだが、人間何か大きな目的が出来ると、「死んでもやんないもんね」とまで思っていた大嫌いなものに対してさえ真正面から取り組む気持ちが生まれてくるのだという点だった。つまりやる気だけは出てきたわけだから、少なくとも頑張って前には進めるのだ、という勇気ともいうべきものである。

語がそんな状態なのに加え、事もあろうに、これから移住しようかというニュージーランドという国について私はほとんど何も知らなかった。私の心にあったのは釣り少年の頃からの漠然とした「釣り天国」というものへの憧れと、書籍やインターネットで仕入れた少しばかりの情報だけであった。従って、移住を決行するにあたっては、さすがにもう少しニュージーランドという国を知る必要があり、それには、やはり下見だ、ついでに英語の勉強もしてこよう、という風に考えたのは、ある意味自然であった。そもそもの

何故ニュージーランドに移住するのか?

という理由付けはほとんどないまま、とにかくどんどん計画を進めてしまおうとしたところは、自分でも順番がちょっとおかしい気もしたが、人生の大転換を決めるときなどそんなものさ、と考える事にした。実際、思いつきでいきなり方向転換などすれば失うものはそれなりに大きかった。今でもこの時の選択が「正しかった」のかはわからない。だがそういう転換によって現在を含む過去からの資産・蓄積を失うのか、あるいは転換しない事により未来に得られるであろうものを失うのか、見方ひとつで「失うもの」というものすら、所詮あいまいなものである。どっちが良いのかという事はどの道一生誰にもわからないことだ。だが、そういう「過去・現在のもの」を失う事に対する覚悟さえ出来ていれば、「未来に」得るであろう事(英語、海外移住、第二の人生)だけ考えて真剣に前向きに考えられるという「面白さ・楽しさ」が生まれ人生に彩りがつくのは確かな様に思えた。この、2段階目の切り離しをしたからには私にはもう3段階目の切り離しは必要ではなかった。既に2回も過去とのつながりを切り離したからには、今さら失うものの大きさを「現在・過去」と「未来」でトータルで損得勘定してみる、という事はその時の私にとってはただの小賢しい方法論でしかなく、そんな事で自分の行動を理由付けたり考えたりするのは時間の無駄で馬鹿馬鹿しいとしか思えなかった。独り者の気楽さであろうし、馬鹿なのはお前だ、と言われても返す言葉はひとつもないが。

つづく
posted by Dobby at 07:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 移住・永住権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
興味深く記事を読ませて頂きました。自分の場合は家族もいたので、やはり、収入・安定を一時的にしろ失うことに躊躇はありましたが「もし、後悔するなら、やらなかったことを後悔するよりも、やって後悔するほうがよい」と思い、移住を決断しました(笑)。おかげさまで、家族の理解もあって今のところは楽しく暮らせてます(^^)
Posted by どんどん at 2006年10月10日 05:58
どんどんさん、コメント有難う御座います。
私の方は安定どころかまだまだいろんな事で奮闘の日々ですが、逆に考えれば日本で居たときに安定しきりつつあった生活の中で忘れていた「人生の節目」的イベントが移住を境にこれから先まだまだしばらく続くなあ、まだまだ人生楽しめるな、と(笑)
Posted by 海外移住 at 2006年10月10日 06:24
はじめまして。
「会社を辞めてLOHASがしたい」と検索したら一発でこのブログにたどりつきました。

自分は今からニュージーランドにワーホリに行きたいと考えているのですが、いろいろあってタイミングを逃しつつ、その前にフィジーに語学留学しようかなど、いろいろ悩んでる最中です。親に反対され(24です)、理由はあっても次の仕事を探すのにメリットがあるかと問われると何とも言えず、とにかく行きたいという感じです。

そんななかこのブログに出会えて勇気をもらえました。
会社を辞めたときに失うものと、現状維持のままで失うもの、どちらがいいかなんて誰にも言えないってほんとにおもいました。
Posted by 怪獣(たけし) at 2007年02月18日 23:00
たけしさん、コメント有り難うございます!
長い人生、決断の時は何度かあるんだろうと思います。いつも正しい決断が出来るとも限らないし、かといって決断しないと何も変わらない。難しいですよね。
私の場合は一度大きく転回したら、その後次から次へと楽しいくらい?試練がやってきました。退屈しなくて良いですが、大変は大変です(笑)
Posted by 海外移住 at 2007年02月22日 12:50
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