2006年09月30日

(回想)ニュージーランドの免許事情4

らっと試験官の方を見た私はわが目を疑ったがく〜(落胆した顔)!なんと、目をつぶっている!寝ているのか!?まさか、試験中に試験官が!?驚天動地である。ワインディングロードでのゆったりした昼下がりのドライブだとでも思い、気持ちよくなって眠ってしまったのだろう。困ったが、起こすのも何だか相手の機嫌を損ねて落とされたら馬鹿らしいので、もうしばらく様子も見てみる事にし、さらに先に進んだ。10分ほどして、やっとお目覚めらしく、唐突に「じゃあ、そこの駐車場でUターンして」との事。ハイハイ、やっと帰れるんですねわーい(嬉しい顔)とばかりに、でも今は試験官お目覚めなので慎重にUターン。そしてまた走ること20分、普通の道路まで帰ってきて、そのままAAまで返るのかと思いきや、また無言。嫌な予感がして見てみると、やはり「すー、すー眠い(睡眠)」と誠に気持ちよさげにお休みである。うーむ、こまった、どうやってAAまで帰るのかわかんないんだが、と思ったが、とりあえずまっすぐな道だったのでまっすぐそのまま走る事にした。だが、遂にT字路に差し掛かり、それでも指示が出てこない。見るとやはり、

「すー、すーいい気分(温泉)
「・・・・。」

このまま道を間違えても何だし、思い切って「これはどっちに曲がれば良いのですか?あせあせ(飛び散る汗)」と聞いてしまった!試験官は、ハッっと目覚め、だが、そういう時によく人がするように(笑)、全然起きてたよ、というような自然なそぶりを装いながら、だがかなり不機嫌そうに
「右!ちっ(怒った顔)
私は吹き出しそうになるのを必死でこらえ、右に曲がった。それからは試験官は再び寝入ることなく、無事にAAに帰りついた。着いてみると予定時間の45分を20分くらい超過していて、1時間とちょっとが経っていた。やはり、第三段階のワインディングの高速走行とその後の試験官の「お昼寝」の分、無駄に走り回って時間を食ってしまったらしい。

発点のAAまで帰り着いて駐車場に無事車を停めるや否や、試験官は無言のまま、何かの紙を書きだし、差し出した。やっと口を開いて「合格。これは仮の免許証だ。実際の免許は1ヶ月以内に送られてくるから、それまではこの紙を運転の際、携行しておくようにちっ(怒った顔)」とだけ杓子定規に言って、挨拶もそこそこに去っていった。やはり、寝入ってしまったのを私に気づかれたらしい事を自覚して決まりが悪かったのか、受験者ごときに寝入ったところを起こされ、機嫌を損ねたのか、わからないが、私としてはとにかく合格したので、万々歳だったぴかぴか(新しい)

事に合格して、るんるん気分でレンタカーを返しにレンタカー屋まで帰ってきた。約束の時間まで少し早かったのでガソリンももったいないので近くに車を停めて待つ事にした。そして時間が来てから、一応電話をして、オフィスにいるかどうか確認してみた。朝の時点では「昼間は出ているけど、その頃には必ず帰っていますから」との事だったのだが、きっとまたどうせ遅れてるかもしれないと思ったからだ。電話してみると、電話の向こうでは、いかにも今運転中という感じで、「ごめんなさい、あと30分くらいかかりそうなの、もう少し待っててください」との事で、さらに待たされたふらふら。私はその日、約束があって、その後シティまでバスか電車で行かなければならなかったので、間に合うかやきもきしながらも、それでも待つしかない。そしてレンタカー屋がやっと帰ってきた時には、かなり状況は逼迫しつつあった。車をそそくさ返却して、またその車を今度はレンタカー屋のおばさんが運転して私の家まで送ってくれる。その車中、遅れた理由を語りだした。

でも、日本から新婚旅行でやってきたお客をシティのホテルまで迎えにいってピックアップし、レンタカー屋のオフィスまで向かう途中で、カップルが結婚式で贈られたプレゼントか何かを無くした事に気が付き、ホテルまで戻りたいと言い出したのだそうなー(長音記号1)。それでまたホテルまで戻ったので時間が予想以上にかかってしまったのだという事だったー(長音記号1)。おまけに、その日本人カップルは、ホテルに戻った後、結局レンタカーはキャンセルしたいと言い出して、それでもキャンセル料も貰わず、すっかり無駄足に終わったんだという。

ンタカー屋の語ったことが本当かどうかは知らないが、本当だとしたら、その中国人レンタカー屋は随分と親切なのか、はたまた日本人カップルが随分と身勝手なのか、どっちだろうと思った。レンタカー屋の話をそのまま信じると、その日本人新婚カップルは、レンタカー屋に予約し、ホテルまで迎えに来てもらってピックアップしてもらい、つまり実働させておいて、自分たちの都合で振り回したうえ、キャンセル料も払わなかったという事になる。
私はちょっと興味を覚えたし、車中暇なので会話を続ける意味でも、そういう場合キャンセル料は要求しないのかと聞いて見た。するとレンタカー屋のおばさんは「もちろん普通は貰いますけど、新婚旅行でわざわざ来たのだし、大事なものを失くしてしまった様なのが気の毒だったので、払えとは言いませんでした」との事だった。その話が全て本当だとしたら、日本人のカップルは、旅先で親切なレンタカー屋にめぐりあえて良い思い出になった事だろうと思ったものだった。彼らが、他人から親切を受けたとき、きちんと親切を受けた事を自覚できる日本人であった事を願いつつ。

つこく「本当だとしたら」というと、猜疑心の強い奴だと思うかもしれない。だが実際、可能性としては色々と考えられたのだ。例えば、極端な話、見知らぬ異国に来てレンタカーを頼んだら流暢に日本語をしゃべる謎の中国人が現れ、車に乗れという。オフィスは離れたところにあるんだ、そこで車を引き渡そうじゃないか、と言われた新婚ホヤホヤの新郎は、そこに何か疑惑と身の危険を察知した。そこで彼はかわいい新妻を守るため、急ごしらえのウソを言って、難を逃れようとしたのかも知れない。あるいは、レンタカー屋の単なる言い訳の作り話あるいは実話をアレンジしたものであり、行きも帰りも遅れた事に対し引け目を感じたおばさんが、私の気をすこしでも和らげようとした作為的ないい話だったのかもしれない。
だが、レンタカー屋のおばさんはやはり本当の事を言っていたのだと思いたいし、そう信じる事にした。そして、このレンタカー屋の旦那はともかく、この奥さんの方は、やはりとても良い人なんだ、と思った。そう考えると、あの怪しげな旦那のおかげでトーンダウンしていた気持ちもまたまた盛り返してきて、また機会があったらお願いしてみようと思う事にした。



うやって、回想しながら書いていると、免許一つ取るのにも、色々なふれあい、特に何故か今回、中国人とのふれあいが多い事に気がついた。特に大きかったのは、問題集を貸してくれたり、実技試験をコーチしてくれたりしてくれた中国人と友人になれた事だった。彼とはその後も良き友人としておつきあいさせていただいている。

たり前であるが、ニュージーランドでは移民はやはり移民であり、よそ者である。そして、しばしば「ランク」「クラス」が下だと見なされる。ひどい時には「クソアジア人めむかっ(怒り)」などとまで蔑まれ、差別もされる。そんな中、中国から移住してきた友人そしてレンタカー屋は、今回いずれも奇しくも同じアジアの同胞日本人(友人から見た私、レンタカー屋から見た日本人新婚カップル)に対して、大変な親切をしてくれている。ニュージーランドに移住してきて、気付いたのがこういう”移民同士”もしくは”よそ者同士”という関係の大事さだ。日本で暮らす中国人・韓国人と日本人の関係、また逆に中国や韓国に暮らす日本人と現地の人たちとの関係とは違うのである。移民になってみてはじめて、中国人や韓国人といった、今まではあくまで”外国人”だった人たちとも初めて同じ”移民”という立場に立つのである。移民の先輩である、中国人の友人、そしてレンタカー屋のおばさんは、いずれもこの事をとっくに知っていて、それで同じ”アジア移民”として親切にしてくれているのかな、という可能性に思い至ったとき、あらためて感謝するとともに、私自身もそうありたいものだ、と気を引き締めるのであった。

日後、「1ヶ月以内」と言っていた免許証は、予想外に素早く3日で届いた。ニュージーランドクオリティは単にいつも「遅い・いい加減」というだけではなく、このように「ムラ」のある事も、その特徴の一つである。

(ニュージーランドの免許事情:完)
ニュージーランドの車生活につづく)
posted by Dobby at 07:15| Comment(4) | TrackBack(0) | 移住・永住権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同じアジアンという同胞の気持ちはこちらに住み始めて本当感じますよね。逆に最近はあまり気にならなくなりましたが、「同じ日本人なのにあれっ?」と思うことの方が昔は多々ありましたね〜
Posted by どんどん at 2006年09月30日 19:42
私、いまでもソレあります(笑)でも考えてみると日本に居るときも感じてたことなんですよね。私の場合は。単にいわゆるジェネレーションギャップ(笑)
Posted by 移住者 at 2006年10月01日 09:57
ジェネレーション・ギャップ(笑)ありますね〜「最近の若者は〜」と、つい言ってしまいそうな・・でも、若者以外にも(おっと、これ以上コメントするのは危険(笑)ですね)
Posted by どんどん at 2006年10月01日 13:47
確かに(笑)ニュージーランドには、そういう方々の比率は間違いなく高いですね。
Posted by 移住者 at 2006年10月02日 05:33
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